小児歯科

小児歯科
Pediatric dentistry

こどもの歯磨き指導について

生後6ヶ月くらいから生え始める乳歯は、永久歯に比べ歯の表面のエナメル質が薄く、柔らかいのでむし歯になりやすいうえ進行が速いといわれています。
「乳歯は生え替わるから」とむし歯を放っておいてはいけません。乳歯は丈夫な永久歯が生えるための準備の役割や、永久歯を正しい位置に導くといった役割があります。その他にも、あごの骨の成長や知能の発達、正常な噛み合わせにも影響を与えます。また、永久歯の生えたての時期は、酸に対する抵抗力が弱くむし歯になりやすい時期です。
いつまでも健康な歯でいるためには、小さい頃からの正しいケアと定期的なチェックがとても大切です。
そのため、当院では歯医者が苦手なお子様には、まず歯科医院に慣れていただくところから始めています。無理やり治療を行うのではなく、お子様が自主的に治療に臨めるよう様々な工夫を行っております。

子どもの歯のこと
AからEで略すことがあります

乳歯列ABCDE

子供の歯が生えることを萌出(ほうしゅつ)と言います。
生後8か月ごろに生え始め、3歳頃に乳歯が生えそろいます(個人差があります)。
乳歯列は上顎、下顎AからEで略されることが多く、図の上顎(上の図)でA~Eの文字が掛かれている方が右側、一般的に反対側になります。(先生に対して正面を向いてお顔が向き合った状態だと左右が逆になるため)

A:乳切歯(にゅうせっし)
B:乳側切歯(にゅうそくせっし)
C:乳犬歯(にゅうけんし)
D:第一乳臼歯(だいいちにゅうきゅうし)
E:第二乳臼歯(だいににゅうきゅうし)

例)「1歳で下顎AA萌出して、1歳2ヶ月で右上B萌出し始める」
これはさすがに歯科従事者の会話ですが、お子さんの歯の生え方はバリエーションが様々です。上顎BBが先に萌出し、ドラキュラみたいに見えることも多々あります。

乳歯の萌出時期
歯種 男(平均月日) 女(平均月日)
上顎 A 10か月 10か月
B 11か月 11か月
C 1歳6か月 1歳6か月
D 1歳4か月 1歳4か月
E 2歳5か月 2歳6か月
下顎 A 8か月 9か月
B 1歳0か月 1歳0か月
C 1歳7か月 1歳7か月
D 1歳5か月 1歳5か月
E 2歳3か月 2歳3か月

下顎Aを除き性差なし
(日本小児歯科学会1988)

乳歯の萌出順序
順序 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
上顎 A B D C E
下顎 A B D C E

(日本小児歯科学会,1988)

※歯の生え方・時期は、お子さまによって変わります。

・斜め、ハの字に生えてくる
・2つの歯がくっついて生えてくる
・歯の数が多い
・隙間が空きすぎてる気がする
・歯ぐきの横から生えてきた

気になる場合は当院へお気軽にご相談下さい。また、かかりつけの歯科医院を持つことでお子さまの歯の生え方を保護者の方としっかり共有し、口腔内の成長を正しく見守り、管理することが可能になります。
定期的な歯科検診とかかりつけ歯科医を持つことを推奨します。

むし歯になりにくい歯へ

生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中は無菌状態で、むし歯菌はいないと言われています。しかし、むし歯菌を持っている周囲の人たち(主に家族)の唾液から、お口のスキンシップなどを通じてむし歯菌が移り、お子様も感染してしまうのです。
一番むし歯になりやすいのは、『感染の窓』と言われる3歳頃までの時期です。
この期間に、お子様と同じ箸やスプーンを共有しない、噛み与えをしない等のお口のスキンシップを控えることで、成長した時のむし歯の本数を少なくすることができます。
また14~15歳までのむし歯になりやすい未発達な歯を守るために、当院では食習慣の指導や歯磨き指導、噛み合わせや歯並びなどを含め、むし歯になりにくい健康な状態を維持できるようにサポートいたします。

お子様の歯の健康のために意識すべき点

  • 甘いおやつから歯にやさしいキシリトールなどが入ったお菓子に変える
  • よく噛んで食べさせる
  • 食べ終わった後はすぐに歯磨きをする
  • 間食は回数、時間を決めて食べる(だらだら食べはむし歯のリスクを高めます)
  • 仕上げ磨きは、歯が生え揃う10歳頃まで

むし歯の予防

歯磨き指導

1.歯磨き指導

ブラッシングは、むし歯予防の基本です。
むし歯を防ぐために効果的なブラッシング法をお子様が歯磨きを好きになるように楽しみながら、また親御様の仕上げ磨きのコツも歯科衛生士が丁寧に指導していきます。

フッ素塗布

2.フッ素塗布

生えてきたばかりの永久歯は、むし歯になりやすく、しかも急激に進行します。
むし歯の予防と歯質の強化のために、フッ素を歯の表面にコーティングします。
フッ素の効果は、お子様のお口の中の状態によってさまざまです。
フッ素の塗布は歯の生える本数を基準に3ヶ月毎、年に4回を目安とし、医院でのケアを受けることをお勧めします。
またご家庭でのフッ素洗口剤やフッ素入り歯磨き粉を、医院でのケアと並行されるとより効果的です。

シーラント

3.シーラント

お子様の歯、特に奥歯の溝は複雑な形をしているので、なかなか歯ブラシの毛先が入りません。
そのため汚れが溜りやすくむし歯が発生することもあります。
細かい溝を歯科用の薄いプラスチックでふさいでむし歯を予防するのがシーラントです。
シーラントは、生えたばかりの奥歯(6~7歳頃や11~13歳頃)の予防に有効です。

キシリトール

4.キシリトール

キシリトールを積極的に摂取すると、お口の中のむし歯菌が減って、むし歯予防の一環になります。
キシリトールは、むし歯菌の餌とならず、むし歯の原因となる酸が出ないので歯の再石灰化を高めてくれる効果があります。

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